「寝る前にチョコレートを食べたら、なんだか目が冴えてしまった…」
「妊娠中だけど、毎日チョコを食べてしまって赤ちゃんへの影響が心配」
ホッと一息つきたい時の定番おやつであるチョコレート。
しかし、コーヒーや紅茶のカフェインは気にしていても、「チョコレートのカフェイン量」は意外と盲点になりがちです。
実は、チョコレートは種類によってカフェイン量が天と地ほど違います。
選び方を間違えると、知らず知らずのうちにコーヒー1杯分以上のカフェインを摂取してしまうこともあるのです。
この記事では、以下のポイントを数値データとともに詳しく解説します。
- ミルク・ダーク・ホワイトなど種類別のカフェイン含有量一覧
- 板チョコ1枚とコーヒー1杯、どっちが多い?
- 妊婦さんや子供は「1日何個まで」なら食べていいのか
- カフェインを気にせず楽しめる「3つの解決策」
正しい知識を持てば、カフェインを過度に恐れる必要はありません。
あなたやご家族の体調に合わせた「適量」と「選び方」を知って、罪悪感なくチョコレートを楽しみましょう。
【一覧表】チョコレートの種類別カフェイン含有量
「チョコレート」と一言で言っても、実はカカオマスの含有量によってカフェインの量は大きく異なります。
色が濃い(カカオ分が高い)チョコレートほど、カフェインが多く含まれると覚えておきましょう。
ここでは、一般的な板チョコ1枚(50g)に含まれる目安量を解説します。
ミルク・ダーク(ブラック)・ホワイトチョコの比較
普段よく目にする3種類のチョコレートを比較してみましょう。
特に注目すべきは「ホワイトチョコレート」です。これはカカオマス(黒い部分)を使わず、カカオバター(油脂分)のみで作られているため、カフェインはほとんど含まれていません。
| 種類 | カフェイン量 (板チョコ1枚 50gあたり) |
|---|---|
| ホワイトチョコレート | 微量(ほぼ0mg) |
| ミルクチョコレート | 約10〜15mg |
| ブラック(ダーク) | 約25〜30mg |
※メーカーや製品により数値は前後します。
「カカオ70%以上」のハイカカオはコーヒーに匹敵する?
健康効果で注目されている「ハイカカオチョコレート(カカオ70%以上)」ですが、カフェイン量に関しては注意が必要です。
カカオ分が70%、80%、90%と高くなるにつれて、カフェイン量も跳ね上がります。
製品によっては、一般的なミルクチョコレートの約3倍〜4倍ものカフェインが含まれていることがあります。
板チョコ1枚分を食べてしまうと、後述するコーヒー半杯〜1杯分に近いカフェインを摂取することになるため、寝る前や子供の摂取には向きません。
明治・森永など市販の板チョコ1枚あたりの含有量
スーパーやコンビニで買える、おなじみのチョコレート製品のカフェイン量目安を見てみましょう。
大手メーカーのデータを参考にすると、以下のような傾向があります。
- 明治 ミルクチョコレート(50g)
… 約15mg前後(子供でも数欠けなら問題ないレベル) - 明治 チョコレート効果 カカオ72%(1枚 5g)
… 1枚あたり約6mg。
※もし50g(10枚分)食べたとすると「約60mg」となり、インスタントコーヒー1杯分に相当します。
パッケージの裏面に「この製品には1枚あたり〇〇mgのポリフェノールが含まれます」という表記はよく見かけますが、カフェイン量は記載されていないことがほとんどです。
「苦いチョコレート=カフェインが多い」という認識を持ち、食べる量を調整しましょう。
コーヒーや紅茶と比べて多い?少ない?身近な飲み物との比較
「チョコレートを食べ過ぎたけど、カフェインの摂りすぎにならないかな?」
そんな不安を解消するために、普段私たちが飲んでいるコーヒーや紅茶に含まれるカフェイン量と比較してみましょう。
結論から言うと、一般的なチョコレートであれば、コーヒー1杯よりもカフェイン量はかなり少ないです。
コーヒー・紅茶・緑茶とチョコレートのカフェイン量比較
一般的なコーヒーカップ1杯(約150ml)に含まれるカフェイン量と、板チョコ1枚(50g)を比べてみます。
- ドリップコーヒー(1杯):約 90mg
- インスタントコーヒー(1杯):約 60mg
- 紅茶(1杯):約 30mg
- 煎茶(1杯):約 20mg
- ミルクチョコレート(板チョコ1枚):約 10〜15mg
こうして見ると、ミルクチョコレート1枚を丸ごと食べても、紅茶の半分、コーヒーの6分の1程度しかカフェインが含まれていないことが分かります。
ですので、ミルクチョコレートを数かけら食べる程度であれば、カフェインの影響を過度に心配する必要はありません。
ただし、前述の通り「ハイカカオチョコレート(カカオ70%以上)」の場合は話が別です。
ハイカカオの板チョコを1枚(50g)食べてしまうと、製品によっては60mg〜80mg近くになり、コーヒー1杯と同等のカフェインを摂取することになります。
ココアにもカフェインは含まれるので「合わせ飲み」に注意
意外と見落としがちなのが、チョコレートの原料と同じカカオ豆から作られる「ココア」です。
ピュアココア(純ココア)には、粉末5gあたり約10mg程度のカフェインが含まれています。
注意したいのは、以下のような「カフェインの重ね摂り」です。
- 3時のおやつに「チョコレートケーキ」と「コーヒー」を一緒に楽しむ
- 子供に「チョコ」を食べさせながら「ココア」を飲ませる
単品では許容量内であっても、組み合わせることでトータルの摂取量が増えてしまいます。
特にカフェイン代謝能力が低い子供や、妊娠中の方などは、飲み物を麦茶やハーブティー(ノンカフェイン)にするなど、トータルバランスで調整することをおすすめします。
妊娠中・授乳中のママや子供は食べても大丈夫?
カフェインは、胎盤を通じて赤ちゃんに届いたり、母乳に移行したりするため、摂取量には配慮が必要です。
しかし、「絶対に食べてはいけない」というわけではありません。基準を知って、適量を守れば楽しむことができます。
妊婦さんが1日に摂取しても良いカフェインの上限とチョコの量
世界保健機関(WHO)や各国の保健機関では、妊婦さんのカフェイン摂取量について、「1日あたり200mg〜300mgまで」という目安を提唱しています(日本では明確な数値規定はありませんが、これを参考に注意喚起されています)。
これをチョコレートに換算してみましょう。
一般的なミルクチョコレート(板チョコ1枚で約15mg)であれば、理論上は数枚食べてもカフェインの上限には達しません。
糖分や脂質の摂りすぎには注意が必要ですが、おやつとして数かけら楽しむ程度であれば、赤ちゃんへの影響を心配しすぎる必要はないと言えます。
ただし、ハイカカオチョコレートは少量でもカフェインが高くなるため、妊娠中は避けるか、ひとかけらに留めるのが無難です。
子供は何歳からOK?カフェインが成長中の脳に与える影響
子供は大人に比べてカフェインを分解・排出する能力が低く、脳への影響も受けやすいため、より厳しい制限が必要です。
カナダ保健省(Health Canada)が提示している、子供の1日の最大摂取量の目安は以下の通りです。
- 4歳〜6歳:最大 45mgまで
- 7歳〜9歳:最大 62.5mgまで
- 10歳〜12歳:最大 85mgまで
4歳未満については明確な基準がないものの、脳の発達への影響を考慮して「極力控える」ことが推奨されています。
ミルクチョコレート(板チョコ1枚 約15mg)であれば、4歳以上の子が半分程度食べても基準値内には収まりますが、コーラやお茶など他の食品との合算に注意が必要です。
カフェインに弱い人が食べた時に出る症状(動悸・不眠)
大人であっても、アルコールに強い人・弱い人がいるように、カフェインへの耐性(感受性)には大きな個人差があります。
もしチョコレートを食べた後に、「心臓がドキドキする(動悸)」「手足が震える」「夜なかなか寝付けない」といった症状が出る場合は、体がカフェインに対して過敏に反応しているサインです。
特に、空腹時にハイカカオチョコレートを食べると症状が出やすいため、食後に少量だけにするか、次に紹介するノンカフェインの代替品を選ぶようにしましょう。
カフェインを気にせずチョコレートを楽しむ3つの方法
「夜だけどチョコが食べたい」「妊娠中だけど我慢したくない」
そんな時でも、選び方や食べる時間を工夫すれば、カフェインのリスクを最小限に抑えて楽しむことができます。罪悪感なくチョコレートを楽しむための3つのテクニックを紹介します。
カフェインほぼゼロ!「ホワイトチョコレート」を選ぶ
カフェインを避けたい時に最もおすすめなのが「ホワイトチョコレート」です。
チョコレートのカフェインは、原料であるカカオ豆の「黒い部分(カカオマス)」に含まれています。ホワイトチョコは、カカオマスを除いた「カカオバター(油脂)」とミルク、砂糖で作られているため、カフェインはごく微量(ほぼゼロ)しか含まれていません。
「ポリフェノール効果」は期待できませんが、チョコレート特有の濃厚な甘さと口溶けを楽しむには十分な満足感があります。寝る前のおやつにも最適です。
睡眠の質を下げない「食べる時間帯」のゴールデンタイム
カフェインが体内で分解され、血中濃度が半分になるまでには、個人差はありますが約4〜6時間かかると言われています。
そのため、夕方以降の摂取を避け、午後3時(15時)までのおやつタイムに食べ終えるのが理想的です。
「朝食のデザート」や「昼食後のコーヒーブレイク」であれば、夜の睡眠に影響が出ることはほとんどありません。体内時計に合わせて楽しむタイミングを調整しましょう。
キャロブ(いなご豆)などカフェインレス代用品の活用
健康志向のお店などで手に入る「キャロブ(いなご豆)」というスーパーフードをご存知でしょうか。
マメ科の植物ですが、風味や見た目がココアにそっくりで、ノンカフェイン・低脂質・カルシウム豊富という特徴があります。
キャロブを使った「キャロブチップ」や「キャロブバー」は、チョコレートの代用品として非常に優秀です。特に、カフェインに敏感な方や、まだチョコデビューさせたくない小さなお子さんのおやつとして重宝します。
まとめ:チョコレートのカフェイン量は「カカオ分」に比例する!適量を守って楽しもう
チョコレートに含まれるカフェイン量について解説してきました。
最後に重要なポイントをまとめます。
- 一般的な「ミルクチョコレート」なら、カフェイン量はコーヒーの1/6程度と少ない
- 「ハイカカオ(70%以上)」はカフェイン量が多いので、妊婦さんや子供は要注意
- カフェインを完全に避けたいなら「ホワイトチョコレート」を選ぶ
- 食べるなら「午後3時まで」を目安にすると睡眠への影響が少ない
チョコレートは、疲れた時のリフレッシュに最適な食べ物です。
「カフェインが怖いから絶対ダメ」と制限しすぎるのではなく、自分の体調や食べるタイミングに合わせて種類を選ぶことで、賢く健康的に付き合っていきましょう。